2011年3月24日 木曜日
過払い金返還請求の増加と武富士破たん
日経新聞(平成23年3月24日経済欄)によると、アコム、プロミス、アイフルの大手サラ金業者3社に対する今年2月の過払金返還請求は、合計で約4万7000件に上り、過去最高になったそうです。武富士の会社更生手続きの債権届け出期限が2月末だったことの影響だそうです。
なぜ、武富士の破たんでアコム、プロミス、アイフルへの過払金請求が増えるのでしょうか。
それは、武富士でお金を借りていた人の多くが、アコム、プロミス、アイフルなど他のサラ金からもお金を借りていたからです。武富士は、会社更生手続きの開始にともない、過払いになっている人の多くに債権届を送りました。そこで、初めて自分の返し終わった借金や支払いを続けていた借金が実は払い過ぎだということに気が付き、同じような利息で借りていたアコム、プロミス、アイフルにも過払金を返せと言えることに気が付いたのです。
では、なぜ多くの人が複数のサラ金業者からお金を借りていたのでしょうか。
サラ金業者は、通常リボルビング払いという方式をとって、お金を貸し出します。これは、一定の限度額の範囲内であれば、何度でも借入ができ、返済は毎月一定額でよいという方式です。
たとえば、50万円という限度額を決めて契約すると、総額が50万円になるまではカード1枚で何度でも借りられるうえ、月々の支払いは、1万円など決まった金額を支払えばよいというものです。一見すると、いつでも借りられるし、返済も毎月1万円でいいのだから便利だと思ってしまいます。テレビのCMなどでも盛んに便利だということを強調していました。
しかし、毎月1万円だけ払っていても借金はいつまでもなくならないのです。返済したお金はまず利息に充てられ、残りが元金に充てられますが、実際は、ほとんどが利息に充てられます。元金が減らなければ借金はなくなりませんし、利息は日々増えていくのです。気が付いた時には、借りたお金が50万円の限度額いっぱいになってしまい、あとは返済だけが残ります。
武富士で限度額がいっぱいになれば、武富士に返すためのお金をアコムから借りることになり、アコムも限度額がいっぱいになれば、今度はプロミスから。このようにして、複数のサラ金業者からお金をかりることになってしまうのです。